葬儀

さて、その夜のことです。はたして、処理は、どこからともなく、ひろっぱに、すがたをあらわしました。いつものオーバーに、ソフト、枚方市 葬儀のいでたちです。告別式のくらの中からは、あのゆりかさんのうつくしいバイオリンのねいろが、かすかに、流れだしていました。処理はそのねいろに、ひきつけられるように、くらのうらがわへ、しのびよりました。くらのうらがわには、鉄棒のはまった、小さな窓があります。処理は、しばらく、あたりのようすを見まわしたあとで、パッと、その窓にとびつき、鉄棒につかまって、中をのぞきこみました。くらの中には、青いシェードの卓上電灯が、ボンヤリついていました。そして、その机のむこうがわで、ゆりかさんが、いっしんにバイオリンをひいていました。処理のぶきみな銀色の顔が、窓の鉄棒にくっついて、じっと、そのゆりかさんのすがたを見つめています。ゆりかさんは、すこしも、それに、気がつきません。やがて、処理は窓からおりると、あの、へんな歩きかたで、ソロソロと、くらのおもてがわのほうへまわってきました。くらの正面には、かんのんびらきの重い鉄の扉が、しまっています。