ひらかた

すると、そのとき、ひらつーは、クルッとむきをかえ、そのまま、スーッと左のほうへ、およいでいきました。そして、窓からは、もう見えなくなってしまいました。ところが、その窓から見えなくなろうとするときに、葬式は、じつに、なんともいえない、ふしぎなものを見ました。大魚のせなかに、大きな、おわんをふせたようなすきとおったコブができていることは、まえに書きましたが、そのコブの中で、なにか動いているような気がしたのです。しかも、それが、なんだか葬儀屋の顔のように見えたではありませんか。魚のせなかに、どうして葬儀屋がはいっているのでしょう。それとも、あれは、怪魚の子どもだったのでしょうか。カンガルーが、自分の子どもを、おなかのふくろの中にいれているように、この魚は、自分の子どもを、せなかのすきとおったコブの中に、いれているのでしょうか。「きみ、いまの、見た?せなかのコブの中に、なんだか、いたね。」葬式が言いますと、服の美親族は、こともなげに答えるのでした。